今回はトレーニングと音楽の関係について書きたいと思います♪先に言わせていただきますが、結論はありません。レッスンで使われている音楽は決まってしまっているので、お客様の好みで変えることはできませんが、音楽を聞きながらランニングやウォーキングなどをされているという方でしたら、もしかしたら役に立つかも・・・?
トレーニングの時に聞く音楽によって、効果が変わったら・・・例えば、早く走れたり、長く走れたり、脂肪燃焼の効率が上がったり、疲れが緩和されたり、より重い重りに耐えられることができたら、それはうれしいことですが、そういうことは可能なのでしょうか?
1つ目の論文はThe International Review of Sports and Exercise Psychologyというもので発表されたものです。Psychologyは心理学という意味で、論文のタイトルは「若年成人における音楽が運動のパフォーマンスや心拍数に与える影響」となっています。
被験者は19歳から25歳のトレーニング経験がない健康な医学生で、男女それぞれ25名、計50名です。実験初日はトレッドミル(ランニングマシン)で被験者が「疲れた」と感じるまで走ってもらい、2日目は同じことを音楽を聞きながらやってもらいました。ちなみに音楽はそれぞれの被験者の好きなものを選びました。(アップテンポな音楽のみ)
結果としては、音楽なしの場合より音楽ありの場合の方が全ての被験者が長く走ることができたそうです。その差は15分ほどで、特に男性はその傾向が強かったそうです。この論文ではより長く走って、持久力を高めたいのであれば、音楽を聞きながら走った方が良いと結論づけてます。
まあ、この結果は特に驚かないですよね。音楽を聞いている方が、気が紛れて長く走れそうな気がします。と、普段全く走らない私が言っても、何の説得力もありませんが・・・
ランニングのような有酸素運動では音楽が持久力向上に役立つことが示唆されましたが、筋トレの場合はどうなのでしょうか。
多くの研究によると、音楽を聞くとセロトニンが分泌されるそうです。幸せホルモン・セロトニンは精神の安定に関わっている「気分を良くする」ホルモンです。
The Journal of Neuroscience Lettersに掲載された論文によると、音楽を聞くことでドーパミンレベルが上がったとするものがありました。ドーパミンは痛みの信号を脳に伝える経路を遮断する作用があります。つまり痛みを感じづらくなるということです。
真剣に筋トレすると、鍛えている部分の筋肉が痛いですよね?その痛みがもし音楽を聞くことで和らぐなら、音楽聞いたほうが良いのでは?と思いますが、そうも単純な話じゃないようです。例えば、30キロのバーベルを持ってスクワット10回を想像してみて下さい。相当きついですよね?ワークアウト第1でやるスクワットは重りなしです。それでもきついですよね?それを30キロを担げと言われたら・・・地獄ですね(笑) でも、好きな音楽を聞きながらやるとその痛みが緩和されたとしたら、そのトレーニングは音楽なしの30キロと同じ効果を生むのかどうかというと・・・そこが不明なんです(泣)
もしかしたら、痛みが緩和されたことで、音楽なしの時よりも小さな筋力でバーベルを担げてしまっているのかもしれないのです。発揮する筋力が小さくなると言うことは、筋トレの効果は下がるということです。
でも逆も言えますよね?音楽でドーパミンが出て、痛みが緩和されるから、音楽なしだと30キロしか担げないけど、音楽ありだと40キロ担げるという場合もあるかもしれないということです。音楽によってより強い力を発揮できることになり、効果が上がるということも言えるのです。
どちらが良いかは謎です。どっちみち音楽があってもなくても30キロのバーベル担いでスクワットはあまり楽しそうではありません・・・(笑)
文:真木
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28533890
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3339578/