トレーニング中に、ある動きが思うようにできない、という経験は誰しもあると思います。そんな時、原因を「体が硬いから」と考えると、それが思わぬ落とし穴になることがあります。
例えば、上記の2つの動き、これはいずれも足の付け根の筋肉を使います。
1枚目の立位での膝上げは、シャキットのさまざまなレッスンで行われる動きです。「膝を高く」と言われているのに上がらない、上げようとすると上半身が後ろに倒れる、という方もいらっしゃるかと思います。
2枚目の動きはプランクの姿勢になっていますが、1枚目との違いは、大雑把に言ってしまえば、体が縦になっているか、横になっているかです。1枚目の動きで膝を高く上げれないのであれば、2枚目の動きでも膝を胸に寄せれない可能性は大いにあります。
ちなみに、「膝を上げる」と言うと、あたかも膝の運動であるかのように錯覚してしまいますが、膝を上げるという動きは股関節の運動であり、「股関節の屈曲」と言います。
股関節の屈曲に関わる筋肉はたくさんあるのですが、主に頑張るのが腸腰筋(ちょうようきん)です。正確には、大腰筋と腸骨筋に分かれているのですが、2つ合わせて腸腰筋と呼ばれるのが一般的です。
股関節の屈曲が十分にできない場合、考えられる大きな原因は2つあります。1つは腸腰筋が硬い、もう1つは腸腰筋が弱い、です。
この「硬いのか弱いのか問題」はどんな動きにも言えることです。体を動かす時に、どこかの筋肉が硬いもしくは弱いと、その動きを円滑に行うことができません。もちろん、硬いし弱いというケースもあります。
原因によって対処方法は変わります。硬いなら伸ばさなければいけません。弱いなら鍛えなければいけません。原因が「弱さ」にあるのに、「硬いからできないんだ」と思って、ストレッチを頑張るとどうなるのか・・・伸びた筋肉は力を発揮しづらくなることがあります。つまり、弱い筋肉が、更に弱くなってしまうかもしれない😱ということです。ですから、原因を見極めるというのは、とても大切になります。
腸腰筋が本当に硬いのかどうかを簡単にみる方法があります。画像のようにベッドなどにお尻までが乗るように、仰向けになります。片膝を抱えて胸に寄せたまま、抱えていない側の足を下げていきます。
上の画像のように抱えていない側の膝が、ベッドと同じ高さまで落ちれば、腸腰筋は硬くないと言えます。逆に、下の画像のように、膝をベッドの高さまで落とせない場合には、腸腰筋が硬いとなります。
いかがですか?腸腰筋、硬くないですか?左右差はありませんか?
次に、腸腰筋が弱くないかを確認してみてください。画像のように、膝を抱えて上げます。この時は、腕の力を借りて、最大限上げて下さい。上げきったら、そこから膝を抱えている手を離します。手を離した際に、膝が落ちてしまえば、腸腰筋が弱っている可能性大です。膝が少しも落ちることなく、20秒程度キープできれば、腸腰筋はしっかりと働いてくれていると言えると思います。硬さのチェックと同様に、左右差がないかもみてみて下さい。
ご自身の腸腰筋が硬いのか、弱いのか、判明しましたか?もし硬かったのならば、上記でご紹介したテスト方法そのものが、ストレッチとしても使えますので、毎晩寝る前に30秒やるだけでも良いと思います。
硬くはないけど、弱いみたいという方におすすめは、「フランケンシュタイン・ウォーク」です。その名の通り、フランケンシュタインみたく歩いて下さい。
手の平を下に向けた前ならえで、膝を伸ばした状態で足を振り上げて歩きます。まずは足が上半身に対し直角になる高さを目指して下さい。余裕がある方は手の平に足先がつくくらい(右足が左手、左足が右手)高く上げながら歩きます。
上の絵のフランケンシュタインのように、背筋はしっかりと伸ばして行って下さい。
文:真木
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