老化は病気?!

「ライフ・スパン 老いなき世界」は昨年、日本で発刊されました。『老いは治療できる病だ。』とは、なかなかエッジの効いた宣伝文句だと思いませんか?

 

この本、日本語訳が出たら、読んでみたいな~と思っていたのですが、いまだに読めずにいます。著者のデビット・シンクレアさんは、ハーバード大学医学大学院の教授です。YouTubeには、シンクレア教授に関する動画がたくさんあるのですが、中でも衝撃を受けたのがこちら⇓です。

こちらの2匹の実験用マウス、実は双子なんですが、見た目が全く違いますよね?左は毛がツヤッツヤ、目もウルッウル、写真ではわかりませんが、動きもキレッキレでした。右のマウスは白い毛が混じり、目もなんだかしょんぼり、回し車で走らされるのも辛そうな感じでした。

 

シンクレア教授が発見した「老化を治療する方法」を実践すれば、同じ年齢のマウスでもこれほどの違いが出る、という衝撃の研究結果でした。

 

 

こちらがシンクレア教授です。51歳なのですが、お肌が綺麗ですね。

 

教授が上記のマウスに投与したのは、「NMN」というものなのですが、今回のブログではNMNについては書きません。ご興味のある方は調べてみて下さい。NMN点滴をやっている病院もあるようですし、NMNのサプリもあります。確か、ホリエモンがNMNサプリを摂っていたかと思います。

私達は老化を「自然なこと」と捉えるかと思いますが、シンクレア教授は老化を「病気」だと捉えています。そして、「病気」である老化の要素の80%を担っているのが、「自分自身の決定」であり、遺伝子が決めることというのは、わずか20%しかないとおしゃっています。

 

私は元々、理学療法士の仕事をしていたこともあり、たくさんの高齢者の方と接してきましたが、年を重ねるごとに「個人差が大きくなる」ということを、常々感じてきました。例えば、実年齢は20代だけど、10代に見える人もいれば、もう少し大人びてて30代に見える、ということはあるかと思います。とは言え、せいぜいプラスマイナス10歳くらいであって、「40代に見える20代」というのは、そうそうお目にかからないかと思います。ところが、これが年齢を重ねると、個人差が非常に大きくなり、70代にしか見えない90代の方もいらっしゃいましたし、逆に90代より元気がない60代もいらっしゃいました。

 

この個人差が、単純に遺伝子によるものであるならば、「どうしようもない」となりますが、シンクレア教授のおっしゃる通り、「自分自身の決定が8割」であるならば、努力してみる価値がある気がします。

 

 

NNMサプリ以外で、老化を予防するためにできること、知りたいですよね?シンクレア教授がインタビューを受け、その中で明かしている5つのポイントをご紹介します!

 

①禁煙

 

喫煙はDNAを傷つけ、老化のプロセスを促進させてしまうそうです。シンクレア教授によると、電子タバコもダメだそうです。

 

 

②食べ過ぎない

 

スポーツ選手でもない一般の大人が、1日3食、更に間食までするのは、「ばかげている」だそうです😭教授ご自身は1日1食だそうです。

 

 

③息が切れるくらいの運動

 

時々、息が切れるほどの負荷を体に与えることで、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化するそうです。

 

サーチュイン遺伝子のスイッチがオンになるのは、体が「快適ではない状況にある時」なのだそうです。それが空腹を感じている時や、息切れしている時というわけです。「このままだと死ぬかもしれない。」と体が感じることで、サーチュイン遺伝子が活発になるのです。現代はとても便利な時代です。水道をひねれば水が出て、家事は家電がやってくれて、遠くへは車が連れて行ってくれます。ライオンに追いかけられることもありませんし、お腹がすけば狩りをしなくても、すぐに食べ物が手に入ります。「病気になって当然」とシンクレア教授は言います。我々にとっての快適な時代は、体にとっては全く快適ではないということです。

 

 

④何を食べるかに気をつける

 

シンクレア教授は完全な菜食主義ではなく、時々お肉を食べることもあるそうですが、菜食(未加工の野菜、果物、豆類、全粒の穀物など)には肯定的で、それは野菜に含まれるポリフェノールなどが、サーチュイン遺伝子を活性化させるのに役立つからだと言います。

 

教授は1日1食ですが、誘惑は多く、(食べ物に対し)ノーという練習を日々していると言います。食欲に対処する方法としては、紅茶やコーヒー、白湯などをよく飲むと話していました。水はどうかと聞かれ、「水でも良いけど、自分は温かい飲み物の方が満足感が得られる。もしかしたら、熱に秘密があるのかも。」ということをチラッと言っていました。

 

 

⑤睡眠の質を上げる

 

これについては、詳しい方法論などは語られませんでしたが、質の良い睡眠が大事とのことでした。

 

いかがでしょうか。この5つ、特に目新しさはありません。言われてみれば、至極当然という感じではあります。でも、この当たり前を当たり前にできるかどうかは、また別の話です。

 

最後にもう一度、シンクレア教授の「教え」を思い出してみたいと思います。老化という病気の80%は「自分自身の決定」による。老化を食い止めることができるかどうかは、あなた次第!ということのようです・・・

 

文:真木