「足のアーチ」という言葉、聞いたことありますか?いわゆる土踏まずのことですが、実は足のアーチは3つあります。
土踏まずは画像でいう「内側縦アーチ(内側アーチ)」にあたります。他に、親指の付け根から小指の付け根あたりにある横アーチ(前部アーチ)、小指の付け根から踵(かかと)にある外側縦アーチ(外側アーチ)があります。ちなみに、どうでも良いと言えば良いのですが、こういった医学用語(?)は「うちがわ・そとがわ」と読まず、「ないそく・がいそく」と読むのが通例のようです。
いずれも大切ではあるのですが、今回は内側アーチ(土踏まず)に限定して書きたいと思います。
赤ちゃんの足、かわいいですね~😍アーチが全くなくペタ~っとしています。これは病気でもなんでもなく、生まれた時は誰でもアーチがありません。アーチは歩くことで形成されていくのです。ところが、現代はアーチの形成が遅かったり、不十分だったりすることが増えてきているそうです。昔に比べ歩くことが減ったり、日本人であれば草履や下駄をやめ、靴を履くようになったことが影響しているとも言われています。
こちらは歩き出したばかりの赤ちゃんの典型的な歩き方です。大人と何が違うでしょうか?
まずは腕です。大人のように規則正しく振らずに、高めの位置で大きく広げます。
次に左右の足の間隔です。骨盤の幅より大きく開いています。大人の歩行では、左右の足の間隔は骨盤より狭いと思います。
そしてつま先の向きです。多くの場合、歩き出したばかりの赤ちゃんのつま先は外側を向いています。
どうして赤ちゃんはこういう歩き方をするのでしょうか?それは、バランスをとるためです。皆さんも平均台の上を歩くとしたら、腕は外側に開いた方がバランスがとりやすいですよね?
また、平均台の上を歩くのが普通の歩行より難しいのは、左右の足の間隔を狭くしなければいけないからです。間隔が広い方が安定する、だから赤ちゃんは足を開いて歩きます。
ではつま先が外を向くのは?これは、赤ちゃんは内側アーチが未発達だからだと思われます。
つま先の向きによって、足のアーチがどう変化するかを、ご自身で体感してみて下さい。方法は簡単です。裸足で片足立ちになるだけです。まずはつま先を正面に向けて行います。足指を丸めて踏ん張っちゃだめですよ~。次につま先を外側に向けて行ってみて下さい。
内側アーチがどう変化するか感じ取れますか?つま先が正面を向いている時、内側アーチはしっかりと保たれるのに、つま先を外に向けると、体重が足部の内側に乗りやすくなり、アーチが潰れやすくなります。(ちなみに扁平足でそもそもアーチが消失している方は、分からないかもしれないです・・・)
実は、内側アーチはバランスをとる上でとても重要なのですが、それが未発達の赤ちゃんは内側アーチでバランスをとることができないため、代わりにつま先を外に向けることで、安定感を出していると考えられます。
これは紙で作った足です。アーチの重要性が視覚で分かりやすいので、ご紹介します。
紙の足を台の端の方へずらしていくと・・・当然ながら、「デロ~ン」と落ちてしまいます。ところが・・・!
アーチがあると・・・おー!支えれてます!デロ~ンとなりません!アーチ大事!
赤ちゃんの歩き方の特徴として、3つ挙げました。①腕を上げて外に開く、②左右の足を開いて歩く、③つま先を外に向けて歩く。
①と②に関しては、シャキットのお客様でやっている方は見たことありません。ところが・・・③はけっこういらっしゃいます。そして私もそのうちの1人です😅気を抜くと、すぐにやっちゃいます。レッスン中も鏡の中の自分の歩き方を見て、ハッとするということが多々あります。なので、強くは言えませんが・・・でも強く言っちゃいます(笑) 多いです、つま先が外を向いている方!
上の画像の左端は正常な歩き方です。正常と書くと、つま先を外に向けることが異常みたいで、若干の違和感はあるのですが、左端くらいのつま先の開きというのは、全く問題ありません。むしろ、歩行中につま先が完全に真正面を向いていたり、内側を向いているのも、それはそれで問題ありです。
どれくらいつま先が外に向くと「ダメ」なのかという判断は難しいものがありますが、内側アーチが潰れるほどにつま先を開いてしまうのは、やはり問題です。ちなみに上記の画像は左から2番目が10度の開き、3番目が20度の開き、右端が30度の開きとなっています。20度くらい開いている方というのは、結構多いのではないかな~という気がします。
土踏まずがなかった赤ちゃんが、歩くことで土踏まずを獲得する、ということの逆も起こります。元々は土踏まずがあったのに、運動不足、歩き方のクセ、体重増加などによって、土踏まずが潰れるということも起こりえます。
私達は昨日、今日歩き出したばかりの赤ちゃんではありません。大人なら、内側アーチをしっかりと使うことで、衝撃を吸収し、バランスを保てるはずです。
また、つま先の向きを意識すべきなのは、トレーニング中でも同じです。スクワットの時に、つま先が過剰に外を向いてしまっている方は意外に多いです。今一度、つま先の向きを意識してみて下さい。そして、もし見かけたら、教えて下さい。「真木、つま先が外向きすぎだぞ!内側アーチ使えてないぞ!」と・・・
文:真木
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