今日はシャキット文庫のご紹介です~。『栄養学界のアインシュタイン』なるすごいあだ名(?)をお持ちのコリン・キャンベル博士の「WHOLE(ホール)」です。
wholeは「全体」といった意味ですが、「全体ってなんだかな~」と思ったので、ブログのタイトルは「丸ごと」にしました。約500ページの分厚い本なのですが、結局のところ、キャンベル博士が言いたいのは・・・「やたらめったら精製したり、手を加えたり、抽出しないで、丸ごと食べなさいよ!」ってことだと思うんです、きっと。
この本、分厚いだけでなく、なかなか難しかったです。「何を食べると良い」というような話は多くなく、栄養学の問題点に始まり、医学界の問題点、産業界や政治にはびこる利権などなど、大人のドロドロした世界の話についてたっぷり語られます😱
キャンベル博士については、以前ブログで書いたことがあるのですが、何を書いたのか全く記憶にありません😅書いた自分が覚えていないのだから、読んだ皆様はもっと覚えていないと思うので、もう1度サラッと書きます。
キャンベル博士は現在87歳。ご実家は酪農をされていたということで、ご本人も「乳製品万歳!お肉万歳!乳製品やお肉こそが良質なタンパク質であり、健康に不可欠!」という考えをもっておられました。
そんな博士ですが、調査・研究をしていく中で、考え方が180度変わり、『プラントベース・ホールフードplant based whole food』を推奨するまでになりました。
プラントベース・ホールフード(PBWF)とは植物由来の食べ物を、できる限り自然に近い形(要は丸ごと)摂取するということです。具体的に言えば、野菜、果物、加工していないナッツ、豆類、玄米などの精製していない穀物などを加工せずに食べるということです。
「ベジタリアンってこと?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ベジタリアンとは違います。ベジタリアンは動物性の食品を摂らない人なので、植物由来の原材料のみが使われていれば、それが加工食品であっても「ベジタリアン」の枠からは外れません。一方のPBWFは「できるだけ自然に近い形」なので、加工食品は避けることになります。
例えば、こういうお菓子。バナナチップスの多くは、バナナ、砂糖、植物油が原材料です。動物性食品は何も入っていないので、ベジタリアンの方が食べても大丈夫となります。一方、PBWFを実践されている方は、バナナチップスではなくバナナそのものを食べる、となるわけです。
この本の表紙にリンゴの絵が描かれていますが、なぜ「丸ごと」が良いのかを理解するには、本書にあるリンゴの話が一番分かりやすかったので、ご紹介します。
「リンゴ1日1個で医者いらず」という格言があるくらいですから、リンゴが体に良いということは言わずもがなだと思います。
では一体、リンゴの「何」が体に良いのでしょうか?ビタミンC?ビタミンK?ビタミンB6?カリウム?食物繊維?ビタミンA?ナイアシン?マグネシウム?リンゴにはまだまだ他にも沢山の栄養素が含まれています。
何故リンゴがそんなにも体に良いのか、リンゴの秘密を探るべく、キャンベル博士の友人であるリウ博士は研究チームを立ち上げ、リンゴの抗酸化力を調べたました。リウ博士の研究で、100gのリンゴの抗酸化力は一般的なビタミンCサプリメントのなんと263倍もあることが判明したのです。人間がさまざまな食べ物から色々な栄養素を抽出し、それをサプリメントにしたりしますが、そんな「科学の結晶」のサプリメントも丸ごとのリンゴが持つ力には遠く及ばない、ということです😭
リンゴに限らず、自然界に存在する野菜や果物の栄養のシステムは、人間が想像するよりずっとずっと複雑なようです。現時点で存在が判明している栄養素は氷山の一角であり、人間がその存在すら知らない栄養素は山ほどあります。存在が分からないのだから、それらがどのように連携し合っているか、なんてことはもっと分かりません。それなのに、ある特定の栄養素だけを抽出し、サプリメントにしたり食品に添加したりし、それを「健康に良い」とありがたがる、こんなことはもしかしたら無意味なのかもしれません。
何回か前に書いた「ファシア」の話もなんだか似ている気がします。細かく細かく解剖して、「これは〇〇筋だ、これは〇〇骨だ。」と人体をミクロの視点でばかり見ていたら、全てを包み込むファシアの存在に気付かないでいた・・・。ファシアはリンゴ同様に謎だらけですし、更に言えば、ファシアを越えるものが、今後見つからないとも限りません。
科学が発展すると、ともすると人間は傲慢になりがちです。「何でも分かっているかのよう傲慢になってはいけない」という戒め(いましめ)を胸に、できるだけ野菜や果物は「丸ごと」食べるようにしたいと思います😊料理下手な私にとっては栄養も摂れて一石二鳥です😆
文:真木
コメントをお書きください