下を鍛えるのは難しい

大殿筋、僧帽筋、腹直筋を並べてみました~。どれも1つの筋肉ですが、「下の方」を鍛えるのが難しい筋肉があります。どれでしょうか?正解は・・・全てです😆今日は「腹直筋」に注目したいと思います~。

 

 

シャキットのレッスンではさまざまな「腹筋運動」を行いますが、苦手な方が多いのはワークアウト第3の画像の動きです。上体を起こすと同時に、片足を上げ、反対側の手で足先を触るという動きです。とあるお客様に「他の腹筋運動は大丈夫だけど、あれだけは辛い。なんで?」と聞かれました。もう数か月も前の話ですが。同じ疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれないので、なぜかを考えてみたいと思います!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筋肉が動く時というのは、脳から「動きなさい!」という指令が下りてきます。筋肉自らの意志で「動くぞー!」と気合で動くわけではありません。脳からの指令の通り道が神経で、「支配神経」と呼んだりします。脳梗塞や外傷などで、手足が上手く動かなくなるのは、筋肉そのものが壊れたのではなく、脳の指令が上手く出せなくなったり、指令の通り道が遮断されることが原因です。

 

腹直筋の支配神経は肋間(ろっかん)神経です。イラストでは黄色で描かれています。肋間神経は一本道ではなく、イラストのようにたくさんの小道があります。そして、腹直筋という1つの筋肉であったとしても、その部位によってどの小道が通っているかは違います。

 

 

「直筋」つながりで、太ももにも「大腿直筋」という筋肉があります。前ももにある大腿四頭筋を構成する筋肉の1つです。大腿直筋の支配神経は大腿神経です。イラストの中では黄色で描かれていますが、腹直筋の支配神経と見比べてみて下さい。ほぼ一本道ですよね?腹直筋の支配神経のように小道に分かれていません。

 

腹直筋は高さによって関わっている支配神経が違うので、鍛えるためには「その部位に応じた動き」が必要なのです。

 

「腹筋運動」というのは「上体を起こす」のが一般的ですが、上体を起こす時に働くのはどちらかと言うと腹直筋の上部です。一方、腹直筋の下部はどういう動きで働きやすいかと言うと、脚を上げる動きです。

画像は「V sit」と呼ばれるトレーニングです。上体を起こす力(青矢印)は腹直筋上部の頑張りによるものです。そして赤矢印の脚を上げる力は、腹直筋下部の頑張りが必要です。

 

冒頭の「なぜ他の腹筋運動は辛くないのに、ワーク第3の腹筋運動が辛いのか」の答え、もうお分かりですよね。きっと、腹直筋下部が弱いのです😆他のレッスンの腹筋運動は脚を上げる動きはありません。上述の第3の腹筋運動だけが辛いのは、腹直筋上部は鍛えられているけど、下部は同じレベルまで到達できていないことが原因だと推測できます。

 

というわけで、第3のあの動きが苦手な方、ぜひV sitを毎日やって下さい😄画像では重さのあるボールを持っていますが、もちろん無しでOKです。何回できますか?

 

文:真木