体育座りの罠?!

アメリカでは床に座る習慣が日本ほどはありませんが、アメリカ人が床に座る時にはほとんどの人があぐらをかきます。学校で授業中に生徒があぐらで座っていると、日本人の目にはやや行儀が悪いように見えます。留学していた頃、男女関係なしに、先生の前であぐらをかくアメリカ人生徒を見て、「ふてぶてしいな~、行儀が悪いな~」と内心思っていました。郷に入れば郷に従えで私もあぐらをかいていましたが。

 

 

 

 

日本の子供が床に座る時には、「体育座り」が多いですよね。小さな子供が足を揃えて、「綺麗な」体育座りとしているとお行儀が良く見えます。一列目の端のあぐらの男の子や、その後ろの崩れた体育座りの男の子より、3列目の端の綺麗な体育座りの女の子の方が「真面目に」先生の話を聞いているように見えます。でもこれは単なる「印象」であって、実のところはあぐらの男の子も崩れた体育座りの男の子も先生の話に夢中になっているのかもしれませんが。

 

 

 

 

 

 

 

Wikipediaによると日本の学校教育で体育座りが行われるようになった起源は正確には分からないそうです。一説には、1965年(昭和40年)に文部省(現在の文部科学省)から出された「集団行動指導の手引き」で体育座りが取り上げられ、それがその後、全国に浸透したのだとか。

 

ところで、体育座りに関する「陰謀論」って聞いたことありますか?戦後、GHQは日本人が二度とアメリカに歯向かってこないよう「日本人弱体化計画」を推し進め、その1つが日本人の強さの源とも言えた「丹田」を弱くすることだったというのです。画像は吉田松陰ですが、正座でもあぐらでも、確かにしっかりと丹田をつかった座り方をされていますね。戦前の日本人は正座やあぐらが一般的な座り方で、体育座りが広がったのは戦後というのは間違いないようです。ただ戦争が終わったのは昭和20年、集団行動指導の手引きに体育座りが記載されたのが昭和40年だとすると、だいぶ開きがありますね。いつから日本人が体育座りをするようになったのか、興味があるところです・・・

 

 

体育座りに関する陰謀論が真実かそうでないかはさておき、外国では奴隷や囚人に対して行われていた座り方だということは、歴史的な事実です。まぁ確かに、体育座りをすると視線は落ちがちですし、足を自らの腕でしまい込む感じは「尊厳のある」座り方には見えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見た目や精神性の問題だけでなく、身体にとっても体育座りは「良い座り方」とは言えないと思います。骨盤は後傾し、背中は丸まります。内臓は圧迫され、胸が開かないので呼吸は浅くなります。長時間の体育座りは腰や坐骨や尾骨への負担もかかります。おまけに腕で膝を抱え込むので、背筋を伸ばすことはできず、腹筋群は働きようがありません。

 

成長期の子供に体育座りさせる必要はあるのでしょうか。アメリカが全て正しいとは思っていませんが、座り方に関してはあぐらの方が良いと私は思います。日本人だって昔は正座かあぐらだったわけですから、正座で長時間はなかなか厳しいとしても、背筋をしっかりと伸ばした吉田松陰型のあぐらをさせた方が腹部も使われ、骨盤も起き、何より「凛として」見えると思います😊どうでしょうか、小さなお子さんをお持ちの親御さん、お子さんには体育座りよりも、吉田松陰型のあぐらをさせませんか😄?

 

もちろん大人も同じです。レッスンが始まるまでの空き時間を体育座りで待たれている方も多いかと思いますが、座り方変えませんか?吉田松陰型のあぐらも良いですし、こんな座り方はどうでしょうか?体育座りとは真逆の座り方です。

 

 

足は伸ばし、指先を後方へ向けることで胸を開きやすくし、肩甲骨も下げやすくなります。

 

 

一見、1枚目の写真の座り方と似ていますが、これはダメです。胸が開いていませんし、肩も上がっています。腹筋も働いていません。

 

 

ただ座っているのがつまらないのであれば、こんな風にあごを上げたり・・・

胸椎をひねってみたり・・・

 

体育座りより断然おすすめです😊

 

文:真木