前回の予告通り、今回も腹筋運動に多大なる影響を及ぼすある部位について書きたいと思います。当然ながら腹筋の弱さは腹筋運動がうまく行えないことの原因の1つになりますが、もう1ヵ所、腹筋運動のできの良し悪しを左右する部位があるのです。その部位はイラストにも描かれているのですが、どこだと思いますか?
答えは背骨です。特にワークアウト第1や第3で行っているような、できるだけ反動を使わずにゆっくりと倒れてゆっくりと起きてくるという腹筋運動では、背骨が上手く使えるかどうかが、スピードや倒れる深さをコントロールする上で重要なポイントになります。
こちらのイラストでは、左斜め前から見た骨盤と背骨が描かれています。骨盤と背骨が別々の骨であることはご存知だと思いますが、背骨はいかがですか?
背骨が「1本の骨」というイメージが強いようでしたら、そのイメージを今すぐ払拭していただきたいく思います!
背骨は椎骨(ついこつ)と呼ばれるブロックのような骨が積み重なってできています。また、1つ1つの椎骨の間には椎間板(ついかんばん)と呼ばれるクッションのようなものが挟まっています。
椎骨は場所によって形も大きさも違います。そのため動きにも違いがあります。なので、背骨を動かす時には、棒のように上から下まで全体がまとまって動くのではなく、1つ1つの椎骨がどうなっているかを意識しながら動いていただきたいと思います。
では、どうやって1つ1つの椎骨を意識するのか、ということですが・・・あらかじめ言っておきますが、簡単ではありません。と言うか、かなり難しいです。毎日ワークアウト第1をやっている真木も正直なところ完全にはできません。ひたすら練習あるのみです。
背骨の動きには屈曲、伸展、回旋、側屈と呼ばれる4種類があります。屈曲は背中を丸める動き、伸展は反る動き、回旋はねじる動き、側屈は上半身を横に倒す動きです。
チーターの背骨の動きが美しいので、思わず動画を載せてしまいました。背骨の屈曲と伸展が見事です😀
腹筋運動で重要になるのが「屈曲」です。チーターで言えば、足が地面についている時の形ですね。背骨がアルファベットの「C」のようになるのが屈曲です。
下記の動画では人間の背骨の屈曲・伸展が見れます。なんの面白味もない動画ですが😅動画の最初の方では頸椎だけを動かしています。次に頸椎と胸椎、40秒過ぎ辺りから、胸椎から腰椎までを可動域いっぱいいっぱいまで屈曲・伸展させるとどのように動くかが分かります。(英語ではFull Spine Flexion/Full Spine Extentionと記載されています)
残念ながら上の動画でも椎骨1つ1つの細かい動きまでは見て取れませんが、「屈曲」という動きがどういうことかを頭ではご理解いただけたのではと思います。
頭で理解できたのなら・・・ここからは実践ですね!頭の中で描いた動きを、体で実際に行えるかどうかに挑戦です!上の方にも書きましたが、再度釘を刺させていただきます!難しいですよ😆
挑戦していただくのは「ロールアップ」と呼ばれる動きです。まずは下記の動画をご覧下さい。
ピラティスでよく行われる動きです。ピラティスで行う時には、つま先の向きや手の平の向き、呼吸の方法など細かい決まりがあるのだと思いますが、今回はその辺は「見て見ぬふり」でいきます😅なぜならまずは背骨に全神経を集中させていただきたいからです!
背骨を屈曲させて背中をC字にしていくのですが、この時に「1個1個の椎骨を腰椎から順番に屈曲させていく」という意識で上半身を倒していきます。上半身を起こしていく時には「1個1個の椎骨を頸椎から順番に屈曲させていく」という意識で行います。重要なのは「1個1個」です。
ロールケーキを巻いていく時のように「少しずつ少しずつ」です。
背骨を「1個ずつ動かす、分節的に動かす」ことをピラティスではアーティキュレーションと呼ぶそうです。下記の動画は背骨のアーティキュレーションがお見事なので、ぜひご覧ください。ここまでできたら間違いなく背骨マスターです😆
ということで、腹筋運動が苦手だという方は背骨のアーティキュレーションを意識しながら、ロールアップに挑戦してみて下さい。全く歯が立たない場合には、膝を曲げてみたり、手を軽くもも裏に当てて行ってみると良いかと思います。
文:真木
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吉村 (月曜日, 27 6月 2022 17:16)
動画もしっかり見ました。
確かに頭では理解しましたが、、、
はぁ、難しいっすね~
シャキット真木 (月曜日, 27 6月 2022 20:27)
そうなんですよ~、単純な動きなのにめちゃんこ難しいですよね~。まずはハーフ・ロールアップ(完全に倒れないで途中で止めて、そこから起きてくる)に挑戦してみると良いかもしれないですね~。