朝と夜、どっちが効果的?

シフト制のお仕事の方などは別として、シャキットの多くのお客様はいつも大体同じ時間帯のレッスンを受けられています。いつもは午前中に来られている方が、たま~に夜のレッスンに来られて、「雰囲気が違う!」とおっしゃられることがあります。私たちは特にそんな風に感じたこともないのですが、日中に来られる方と夜に来られる方では、醸し(かもし)出しているものに何か違いでもあるのでしょうか・・・🙄

 

ところで、トレーニングを行う時間によって、体に与える影響には違いがあるのでしょうか?今日はその点について探ってみたいと思います!

 

真木的には午前中のレッスンも午後のレッスンも夜のレッスンも大きな違いは感じません。強いて言うなら、ご飯を食べた後の午後のレッスンは始まるまでの眠気に耐えるのが辛い、ということくらいでしょうか。いざ始まってしまえば、目はパッチリ覚めますので、他の時間帯のレッスンと変わらず皆様のお姿をしっかりと凝視しております😁

 

そんな真木の「個人的感想」はどうでも良いので、この疑問に対し科学はどんな答えを出しているかをみていきたいと思います。いくつかの研究をご紹介していきます。

 

①朝8時VS夕方4時

 

対象者は二型糖尿病の45歳から68歳までの11人の男性です。BMIは23~33です。月・水・金曜日の朝8時にHIITトレーニングを2週間行い、2週間の休憩を挟んで、今度は夕方4時に同様のことを行いました。

 

HIIT(ヒット、高強度インターバルトレーニング)というのは、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング方法です。例えば、20秒間猛ダッシュ→10秒間休憩→20秒間猛ダッシュ→10秒間休憩・・・というのを数セットまたは数分間繰り返します。

 

この研究では、夕方4時のトレーニング時の方が血糖値の改善が大きかった、という結果となりました。

 

②朝8~10時VS午後3~6時

 

対象者は32名の糖尿病もしくは糖尿病予備軍の男性です。32名のうち12名には朝8~10時の間に、残りの20名には午後の3時~6時の間に12週間にわたって運動をしてもらいました。

 

こちらの実験でも午後チームの方が改善が大きかったようです。朝チームと比較し、空腹時の血糖値がより安定し、インスリン抵抗性の改善もみられました。また脂肪量の減少も朝チームより大きいという結果となりました。

 

上記2つだけ見ると、午後の運動の方が効果的なようにも見えますが・・・ただし、この2つの研究では食事の管理はなされておらず、結果として現れた違いが、純粋に運動の時間帯にだけよるものかどうかが不明です。

 

③朝VS夕方VS運動なし

 

こちらの研究では食事も管理されました。1日のエネルギー摂取量のうち65%を脂質、20%を炭水化物、15%をたんぱく質から摂ってもらいました。

 

対象者は24人の肥満もしくはやや肥満傾向の男性で、各グループ8人で、朝に運動するグループ、夕方に運動するグループ、運動しないグループに分かれて実験は行われました。

 

これは当然だと思いますが、運動したグループは時間に関係なく心肺機能の向上がみられ、運動しなかったグループでは変化はありませんでした。

 

この実験でも運動の時間による違いが出ました。夕方グループでは、空腹時・食後・就寝中の血糖値が朝グループと比較して低い、という結果となりました。また血中のコレステロール値も朝グループよりも低くなったそうです。

 

またしても夕方の運動の方が有利なようにみえますね~。上記は糖尿病の方や肥満の方を対象とした研究ですが、そうではない方を対象にした研究はあるでしょうか。

 

④朝VS夕方、糖尿病ではない成人

 

対象者はBMI30前後、二型糖尿病ではない38~64歳の40名です。12週間にわたる運動の内容は、ウォーキングと筋トレで、朝チームと夕方チームに分かれて行われました。

 

なんとこの研究では朝チームも夕方チームも血糖値等々の数値に大した差はない、という結果が出ました。

 

⑤朝6~8時、夜6時半~8時半

 

もう1つ糖尿病ではない方を対象とした研究をご紹介します。朝6~8時チームは男性14名・女性15名、夜6時半~8時半チームは男性12名・女性15名という内訳です。週4回12週間運動してもらいました。運動の内容は筋トレ、有酸素運動、ストレッチ、HIITをくまなくといった感じです。食事による違いが出ないよう、食事内容もほぼ同じようなものを食べてもらいました。

 

結果はどうなったでしょうか・・・?朝チームの女性は血圧が下がり、お腹周りの脂肪が減り、足の筋力向上がみられました。夜チームの女性は気分が安定、食後の満足感が高まる、上半身の筋力向上、という結果になりました。男性は朝チームは特筆すべきことなし、夜チームは疲労感の軽減、という結果でした。

 

ちなみに例えば朝チームの女性にみられた「お腹周りの脂肪の減少」が、夜チームの女性にはなかったというわけではなく、比較すると朝チームの方がその度合いが大きかったということです。なので、朝チームの男性に関しても12週間も運動をがんばったのにな~んの変化も起きなかったという意味ではなく、夜チームとの比較において大きな違いはなかったということです。

 

男女ともに運動の時間帯に関係なく、体には様々な変化がありました。女性陣はコレステロール値の低下、柔軟性の向上、持久力の向上、体脂肪率の低下、筋肉量の増加などがみられました。男性陣は上半身・下半身ともに筋力向上、柔軟性の向上、持久力の向上、体脂肪率の低下、筋肉量の増加、気分の安定などがみられました。

 

以上、5つの研究をご紹介しました。どう思いますか?運動するなら朝と夕方以降、どちらが良いと感じますか?真木はこの5つの研究の結果を踏まえて思うことは・・・別に何時でもいいんじゃない?!です😆

 

シャキットのお客様は糖尿病ではない方が大半ですので、5番目の研究が一番参考になるかと思います。運動すれば、それが何時であろうと、柔軟性の向上、持久力の向上、体脂肪率の低下、筋肉量の増加などが見込めるのであるならば、大事なのは「何時にするか」ではなく、「何時なら続くか、何時なら習慣化できるか」だと感じました。運動は続けてなんぼ、ですからね😊

 

文:真木