小さいけれど影響大

ジーパンについている小さなポケット、なぜあんな所にポケットがついているかご存知ですか?あれは懐中時計を入れるためにリーバイスの創業者が考えたものなのだそうです。

 

腕時計が普及する前は、携帯できる時計と言えば懐中時計でした。懐中時計は上着のポケットに入れることが多かったそうです。

 

1850年代にカリフォルニアでゴールドラッシュが起き世界中から人が殺到しました。作業する労働者に爆発的に人気になったのが丈夫なジーンズです。当時の主な移動手段は馬ですが、馬の上下の揺れで上着のポケットの懐中時計が落ちてしまうことも。そこで開発されたのが懐中時計専用のポケット付きのジーンズなのだそうです。あの小さなポケットにはこんな歴史があったのですね~。

 

ちょうどあのポケットがある辺りに存在する筋肉、名前をご存知ですか?

 

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)です。それほどメジャーな筋肉ではないですし、サイズ的にも小さいのですが、いろいろな筋肉と連動して働くため、影響力は意外にも大きいのです。

 

例えば、骨盤前傾姿勢の方や内股の方は大腿筋膜張筋が短縮している可能性があります。また、O脚、立っている時に無意識で片側に体重を乗せるクセがある、開脚が苦手、ランニングで膝の外側に痛みが出る、なども大腿筋膜張筋の硬さや弱さが原因になることがあります。これだけ影響が多岐にわたると、大腿筋膜張筋によるものなのか否かを突き止めるのも難しそうです。

 

となると、普段から大腿筋膜張筋のコンディションを整えておくことが大切ですね😄

 

大腿筋膜張筋をほぐす手段として、画像のようにフォームローラーを使う方法があります。これ自体は良いと思いますが、真木としてはこれだけでは不十分だと思います。

 

人間は動く生き物です。大切なのは動いている時に、使うべき筋肉を、他の連動する筋肉と協調させながら、適切な分量で使うことができるか、だと思います。

 

大腿筋膜張筋はさまざまな筋肉と連動すると書きました。例えば、足を外側に開く動き(股関節の外転)では中殿筋と一緒に働きます。その時に中殿筋が怠けて、小さな大腿筋膜張筋ばかりががんばるとどうなるか・・・外ももがパンパンになったり、膝の外側の痛みが出る、ということになりかねません。

 

では、使うべき筋肉を、他の連動する筋肉と協調させながら、適切な分量で使えるようにするにはどうしたら良いのでしょうか。一番良いのは、色々な方向に体を動かして、筋肉と筋肉に指令を出している脳を「調教」することだと思います。ストレッチをしている時には緩められるけど、動いた途端に過剰に力んでしまう、もしくは逆にちっとも働いてくれない、とならないためには動きの中で体に覚えさせる必要があると思います。

 

ということで2つ動きをご紹介します。動きの中で大腿筋膜張筋を感じ取っていただけたら幸いです😄

 

画質があまりよろしくありませんし、訳も少々トンチンカンではありますが、日本語字幕を表示できます。足を大きく開き、手の平を床につけ、体を左右に揺らします。たくさんの筋肉が連動して働く中、大腿筋膜張筋を「見つける」ことができるでしょうか。動画の女性はなかなかのスピード感がありますが、慣れるまではゆっくりで良いと思います。

 

2つ目は開脚で座ります。手はお尻の後方へつけて下さい。片側のつま先を内側に向けます。(股関節の内旋)

股関節を内旋させたまま、足を持ち上げます。上がりますか?上げて5秒キープするを数回繰り返します。大腿筋膜張筋を感じ取れますか?余裕がある方は、手を後方に付けないで、前ならえで行ってみて下さい。

 

大腿筋膜張筋をレッスン中に意識することはほとんどないと思います。ぜひ大腿筋膜張筋を「見つけて」、時々は意識してみてください😊

 

文:真木