いまさらバック・エクステンション

「子供は親の背中を見て育つ」という言葉がありますよね。もちろん子供が親の背中の「形状」を見ているということではなく、子供は親の真似をするため、親が努力する姿を見せれば、子供も物事に一生懸命に取り組むようになる、というような意味ではありますが。でも誰かに見られるなら、背中の「形状」も意識したいところではあります・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、ワークアウト第1の後に「背中ってどこですか?」という質問を頂きました。もちろんそのお客様が背中の場所をご存知ないということではなく、私がレッスン中に発した言葉に対して、「背中はどこからどこまでなんだ?」という疑問が生じたのだと思います。

 

私が発した言葉は「本当に背中の筋肉を使ってますか?腕や肩に頼ってませんか?」という感じだったかと思います。

 

 

上の言葉を口にしたのは、イラストの動き、ワークアウト第1の最後から2つ目で行うあの動きの時です。

 

ということで、今回はいまさらシリーズ第4弾!バック・エクステンション(上体起こし)をみていきたいと思います😄

 

 

 

 

 

バック・エクステンションにもさまざまな形があるのですが、ここではあくまでワークアウト第1で行っているバック・エクステンションでの「真木の狙い」について説明させていただきます。

 

その前にちょっとばかり裏話を。シャキット歴が長い方で、ワークアウト第1を頻繁に受けてこられた方の中にはもしかして気づいている方もいらっしゃるかもしれません。実は、バック・エクステンションのやり方、途中でこっそり(?)変えました。変更して既に数年が経過していると思いますが。

 

 

 

少々難しい話になりますが、上側のイラストは骨盤が前傾方向に動いた状態で上半身を起こしています。この起き方をすると、腹筋群の働きは不十分になり、腰椎が反り過ぎて、腰に負担がかかるという現象が起きます。

 

一方、下側のイラストは骨盤を後傾方向に動かして上半身を起こしています。この起き方ができると、腰椎は反らず、腹筋群も十分に働かせることができます。

 

実は以前は、「腰椎を過剰に動かさないでほしい」という思いから、ワークアウト第1のバック・エクステンションの際に「お腹で押し上げる」という表現を使っていました。背筋群よりもむしろ腹筋群を意識することを促していたのです。

 

ところが・・・気が変わりました😆なぜかと言いますと・・・

 

 

胸椎が硬い方が多い😣!

 

からです。私たち現代人は便利な世界に生きているがゆえに失ってしまったものもあります。その1つが胸椎の可動性です。現代人の8割は胸椎が十分に動いていないと主張する人もいるほどです。

 

正確な割合はもちろんわかりませんが、現代病と言っても過言ではないほど、胸椎の可動性は落ちていると私も感じています。世の中を見まわしてみるとあっちこっちにいます、画像の右側のような立ち方をする方が。なんならレッスン前に掲示板を見ているシャキットのお客様の中にもこんな姿勢で掲示板を眺めている方もいなくはない・・・。

 

この姿勢の方を見ると叫びたくなります。「軸はどこに置いてきたんですかー!!」と😂

 

私の魂の叫びはさておき、このような姿勢だけでなく、胸椎の可動性低下は姿勢にさまざまな悪影響を及ぼします。ということで、レッスンでバック・エクステンションを行う時には、胸椎の可動性を上げることを最優先にしようと考えるに至ったのです。

 

では、胸椎の可動性を上げるためのバック・エクステンションで意識すべきポイントは何でしょうか?

 

 

イラストのやり方は、レッスンで行う場合と腕の位置が違いますが、そこはスルーでお願いします。

 

胸椎の可動性を上げるためのバック・エクステンションの最初にして最重要のポイントとなるのが肩甲骨です!肩甲骨が動かずして胸椎は動きません。この2つは一心同体、運命共同体なのです!

 

バック・エクステンションの時には胸椎を最終可動域(関節が動く目一杯の範囲)まで伸展させる(前方に反らせる、うつ伏せの場合には下方に向かって反らせる)のが目標です。胸椎を伸展させるためには、肩甲骨は下げる(肩甲骨下制)必要があります。レッスンの時には「肩甲骨を骨盤に近づける」という表現を使っていますが、「肩甲骨をズボンのポケットにしまうように引き下げる」などとイメージしても良いかもしれません。

 

胸椎を伸展させていく時に気を付ける必要があるのが腰椎です。これまた現代病と言えるかもしれませんが、動きが悪くなった現代人の胸椎をかばってしまっているのが腰椎です。腰椎は本来であれば大きく動くことが苦手なのですが、胸椎があまりにも怠けるものだから、「私ががんばらなければ・・・私さえ我慢すれば・・・」と、まるでヒモ男に引っかかった女性のように自己犠牲を払ってしまうのです。でもその自己犠牲によってヒモ男は更に怠けるという悪循環を生みます。悪を助長してはいけません。ヒモ男のような胸椎は一刻も早く家から追い出す、つまり自らが働くように喝を入れなければいけません。

 

 

「背中はどこですか?」の質問をくださったお客様はバック・エクステンションの時に背中よりも腰部が働く感覚が強いとおっしゃっていました。

 

腰部が働くことに関しては別に間違いではありません。バック・エクステンションの時に働く筋肉の1つに「脊柱起立筋」があります。腰まで伸びていますね。腰部が働いていると感じるのは当然です。

 

ただ1つ気をつけなければいけないのが、話が戻りますが、腰椎に頼り過ぎていないのか、という点です。バック・エクステンションの時の筋肉の働き度合いが

「腰部>>>背中」という場合には、もしかしたら腰椎に頼り過ぎなのかもしれません。

 

 

そういう方はこのポイントを意識して下さい。

 

肩甲骨は下げつつ、背骨を引き伸ばすように上半身は斜め上方向へ伸ばす!

 

です。イラストの青丸の矢印の向きを意識するということです。これが意識できると、腰椎の過剰な反りを予防することができます。

 

バック・エクステンションはレッドコードがなくても行える動きです。(レッドコード使うと少し難易度が上がります。)ご自宅でもぜひ日課にしてみて下さい。また「皿トレ」はシャキットのレッスンの中で一番バック・エクステンションが多く入っています。バック・エクステンションが苦手な方、皿トレでお待ちしております!